【私の茶道具】江戸後期の微塵唐草茶碗 - 中国茶アドバイザー おやつ屋マーリー
お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
「江戸後期の微塵唐草茶碗」− 中国茶アドバイザー おやつ屋マーリー

これらは、京都の骨董市に通いながら少しずつ集めてきた、江戸から明治期の古伊万里です。日本初の磁器として名高い古伊万里は、かつて吸物碗や日常の器として人々の暮らしの中で親しまれてきました。
私も長らく器として愛用していましたが、ある時ふと、蓋と碗のあいだにわずかな隙間があることに気づいたのです。組み合わせを変えてみてもやはり生まれるその隙間に、私は中国茶の蓋碗との共通点を思いがけず見出しました。
蓋碗は、あえて隙間を設けることで、熱湯を注いだ際に蓋がぴたりと吸着するのを防ぎます。その仕組みに通じる機能美に気がついて以来、古伊万里をお茶席で使い始めたところ、「面白い見立てですね」とお客様にも喜んでいただけるようになりました。
本来の用途に縛られず、古き良き器に新たな役割を見出していくこと。それは私にとって、お茶の時間そのものをより豊かにしてくれる発見でした。
中国茶アドバイザー / おやつ屋マーリー
| 中国茶アドバイザー。「旅する出張おやつ屋」として、お茶と焼き菓子を通じて喫茶のひとときを提案し、茶文化の普及や日台文化をつなぐ活動も行う。Instagram: @oyatsuya_marie
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