「碾茶・抹茶」 碾茶(名)てん・ちゃ❶覆いをして育てた茶樹の若芽を蒸して、もまずに乾燥させた茶。臼で挽いて粉末にすると抹茶になる。抹茶(名)まっ・ちゃ❶茶の新芽を摘んで精製した葉茶を、臼でひいて粉末にしたもの。主として茶の湯に用い、濃い茶と薄茶とがある。碾き茶。散茶。出典::小学館 デジタル大辞泉より抹茶というと、茶道やお菓子に欠かせない存在。鮮やかな緑の粉末はすっかりおなじみですが、その原料が「碾茶」と呼ばれる特別な茶葉だとご存じでしょうか。碾茶は収穫前に茶園を寒冷紗などで覆い、光を遮って育てられます。こうすることで旨味がたっぷり残り、色も味わいもぐっと濃くなるのです。煎茶のように揉まれず、葉の形を保ったまま乾燥され、最後に石臼で丁寧に挽かれて抹茶になります。抹茶の魅力は、茶葉を丸ごと味わえること。β ベータカロテンやビタミンEといった、普通のお茶では溶けにくい栄養もそのまま摂れるんです。さらに歴史をたどれば、宋から伝わり宇治で磨かれ洗練された抹茶は、千利休の茶の湯へとつながっていきました。一服に、日本の美意識や豊かな時間がぎゅっと詰まっている。そんなふうに思うと、家で点てる一碗も、ちょっと特別に感じられるかもしれません。イラスト=葛原美晴