「萎凋」 萎凋(名)い・ちょう❶ 衰えしぼむこと。❷製茶の工程で、茶葉を採取後にしおれさせること。紅茶やウーロン茶などで行う。出典:小学館 デジタル大辞泉より萎凋とは、摘み取った茶葉をすぐに加熱せず、あえて少しだけしおれさせる工程のことです。日本茶では「蒸して青さを閉じ込める」印象が強いかもしれませんが、このひと手間を加えることで、茶葉の中で香りの成分がゆっくりと変化し、花を思わせるような華やかな香りが立ちやすくなります。私たちが萎凋された茶葉を説明するときによく用いるように、萎凋は“香りを引き出すための意図的な工程”でもあります。見た目はややくすんだ緑色になることがありますが、それも個性のひとつ。市場では評価が下がってしまうこともありますが、私たちはそれを良いものとして捉えています。同じ品種でも、萎凋の有無やかけ方によって印象は大きく変わります。ひと口飲んだときにふわっと広がる香りに「いつもの煎茶と少し違う」と感じたら、その背景に萎凋という仕事があるのかもしれません。お茶の味わいを知る入り口として、ぜひ覚えておきたい単語です。イラスト=葛原美晴