とっておきのMYあんこ。vol.015 薩摩蒸氣屋の〈かるかん饅頭〉- 吉森慎之介
あの人が愛するあんこと、あんこの思い出エピソード。月に一度更新予定。3ヶ月ごとに“あんこラバー”が変わります。様々な人が、その人生で記憶に残るあんこのお話をご紹介します。
今月のあんこラバー
吉森慎之介さん
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写真家。1992年生まれ、熊本県出身。各地の風景を訪ね、その土地の持つ背景や自然の事象に自身の心象を重ね、写真に収めている。 |
薩摩蒸氣屋の〈かるかん饅頭〉

自然薯のみを使用した、ふんわり柔らかな軽羹(かるかん)に小豆こし餡が入っている。川内市(現在は薩摩川内市)に住む祖父母の家に遊びに出かけるときは必ず、行きに「麺処はし」でカツ丼セットをかっこみ、帰りに「薩摩蒸氣屋」に立ち寄るのが家族の定番だった。
木製のばんじゅうに並んでいる饅頭を見て、ここからここまでと大人買いの妄想をしたのはあの時が初めてだったかもしれない。コップに並々と牛乳を注ぎ、三つも四つも食べていた。もう一つ「かすたどん」という、カスタードクリームをふんわりスポンジで包んだ、これまた牛乳によく合うお菓子があり、饅頭と一緒にこちらもバクバク…。やがて、おやつから手土産に。
もちっと食感の生地に、舌触りの良いこし餡のバランス。大人になって、改めて分かる美味しさがある。手土産だからと多めに買い込み、気づいたらおやつになっている。いつか薩摩蒸氣屋のお仕事ができたらいいな。
このあんこ菓子に合いそうなお茶
Photo:山田薫