とっておきのMYあんこ。vol.013 舟和の〈詰合せ〉- 吉森慎之介
あの人が愛するあんこと、あんこの思い出エピソード。月に一度更新予定。3ヶ月ごとに“あんこラバー”が変わります。様々な人が、その人生で記憶に残るあんこのお話をご紹介します。
今月のあんこラバー
吉森慎之介さん
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写真家。1992年生まれ、熊本県出身。各地の風景を訪ね、その土地の持つ背景や自然の事象に自身の心象を重ね、写真に収めている。 |
舟和の〈詰合せ〉

子供の頃、出張が多い父の東京土産は決まって「舟和」の詰合せ。芋ようかんとあんこ玉がセットになった、見た目にも美しい一箱だ。
後から気付いたが、どうやら母の好物だったらしい。小豆、白いんげん、抹茶、苺、珈琲、みかん。6種類をどの順番で食べようか、芋ようかんは何等分にして食べようか......。消費期限から逆算し、マイルールを作って自分なりのペースで楽しんでいたに違いない。母の好物はやがて、いつからか私たち兄妹の好物にもなった。果物のあんこも珍しく、芋ようかんはずっしりとしていてしっとりとした舌触りが美味しい。
父の役目は、今や私へとバトンタッチ。帰省のたびに羽田の店に立ち寄り、いつもの詰合せを注文していると、母の喜ぶ顔が浮かんできて、当時の父の気持ちが少しだけ分かった気がする。