〈 今月の表紙 〉願いを包む、葉っぱのかたち。 - VOL.73(2025年5月発行号)
お茶の定期便『TOKYO TEA JOURNAL』の巻末『今月の表紙』をご紹介。毎月、イラストレーター・土居香桜里さんの素敵なイラストにちなんだ小話を掲載しています。
願いを包む、葉っぱのかたち。

江戸中期に広まったとされる柏餅は、「新しい芽が出るまで古い葉が落ちない」柏の葉を使うお菓子として、家系の存続の象徴とされました。この葉で餅を包むことで、「子孫繁栄」「家督安泰」など、武家文化の価値観と結びつく縁起のよい菓子ということで人気が出たのだとか。
男児の成長を願う行事にふさわしく、町人の間にも広まり、季節の定番として親しまれていきました。
青葉の香りをまとった餅をほおばると、初夏の風が吹き抜けるような、どこか懐かしい気持ちになります。かの戦国武将も、もしかしたら柏餅を食べて戦へ挑んだのかも…? など、ロマンに思いを馳せながらいただいてみるのもいいですね。
文=神まどか
イラスト=土居香桜里