〈 今月の表紙 〉16個の菓子にこめた願い。 - VOL.74(2025年6月発行号)
お茶の定期便『TOKYO TEA JOURNAL』の巻末『今月の表紙』をご紹介。毎月、イラストレーター・土居香桜里さんの素敵なイラストにちなんだ小話を掲載しています。
16個の菓子にこめた願い。

6月16日は「和菓子の日」。その由来は平安時代にさかのぼります。仁明天皇が、当時流行していた疫病の終息を願い、16個の菓子を神前に供えたことが始まりとされ、「嘉祥菓子」と呼ばれる特別な和菓子を食べて無病息災を祈る風習が生まれました。
のちに、豊臣秀吉も「嘉祥の祝」としてこの習わしを年中行事のひとつに取り入れていたのだそう。やがて庶民の間にも広がり、16文で16個の菓子や餅を食べるという習慣もあったのだとか。
現代でも、老舗の和菓子店ではこの日に合わせた限定の詰め合わせを用意するところもあります。伝統の味に思いを重ねながら、心静かに祈りを味わう一日を、ぜひお過ごしください。
文=神まどか
イラスト=土居香桜里