〈 今月の表紙 〉名月に寄せる祈り。- VOL.77(2025年9月発行号)
お茶の定期便『TOKYO TEA JOURNAL』の巻末『今月の表紙』をご紹介。毎月、イラストレーター・土居香桜里さんの素敵なイラストにちなんだ小話を掲載しています。
名月に寄せる祈り。

月見といえば団子ですが、それだけではないのをご存じでしょうか。
十五夜(旧暦8月15日)は里芋を供える「芋名月」、十三夜(旧暦9月13日)は栗の「栗名月」、豆の「豆名月」と呼ばれ、今も各地でその風習が受け継がれ、イベントが開かれています。
わずかひと月ほどの間に、月を愛でる行事が立て続けに訪れることは、お月見に馴染みの薄い私にはとても新鮮でした。
芋や栗、豆を供えるのは、実りへの感謝と翌年の豊作への祈り。そしてお茶もまた、自然の力を受けて、毎年変わらぬ美味しさを届けてくれます。その恵みは、当たり前のようでいて儚いもの。だからこそ、これからも大切に受け継いでいきたいと思うのです。
文=神まどか
イラスト=土居香桜里