とっておきのMYあんこ。vol.034 畠栄菓子舗の〈あんごま餅〉- 吉森なな子
あの人が愛するあんこと、あんこの思い出エピソード。月に一度更新予定。3ヶ月ごとに“あんこラバー”が変わります。様々な人が、その人生で記憶に残るあんこのお話をご紹介します。
今月のあんこラバー
吉森なな子さん
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料理人。2025年に世田谷のお弁当・お惣菜『75foods(ナナゴーフーズ)』をオープン。食べると心も温かくなる料理が人気を集める。 |
畠栄菓子舗の〈あんごま餅〉

小さい頃、あんこがあまり得意ではなかった私が、唯一貪るように食べていたのが、秋田県八郎潟町・畠栄菓子舗の「あんごま餅」。
まるで赤飯が入っているかのような、懐かしさを感じるプラスチックの容器を開けてびっくり! 中には、一面すりごまがびっしりと敷かれていて、お餅の切れ目に沿って切り出すと、すりごまの下にこしあんとお餅が隠れている。ごまとあんこの真っ黒な見た目とは裏腹に、まるでつきたてのような真っ白いお餅が柔らかくて、つい一切れ、二切れ……と手が伸びる。そんな私を見て「晩ご飯食えねぐなるから、あどやめとけ〜」という両親の声など聞く由もなく、パクパク。見た目はインパクトのある、真っ黒なあんごま餅。なのに思い出す時には、真っ白い雪を想像してしまう、私の故郷の味。
あの容器のふたを開けるだけで、冬の空気まで一緒にほどける気がする。雪かきをした日のおやつに食べたいなぁ。
このあんこ菓子に合いそうなお茶