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作り手のことば「器と使い手の“距離感”で、丁寧な暮らしを伝えたい」木工作家・紀平佳丈さんインタビュー

2025年07月25日

by 煎茶堂東京編集部

地元の愛知県豊田市で、日常使いの木の器などを製作する木工作家・紀平佳丈(きひら・よしたけ)さん。機械を使わず、すべて手彫りで生み出される造形は、シンプルながらも細部までこだわりが宿っています。

今回、煎茶堂東京で紀平さんの作品をお取り扱いするにあたり、紀平さんのお人柄、作品や木工に対する想いなどを伺いました。

紀平さん、今回はよろしくお願いします。まずは、簡単なプロフィールを教えていただけますか。

よろしくお願いします。私は、愛知県豊田市で生まれました。芸術系の大学で彫刻を学んだ後、山梨にある家具屋に就職し、木工の修行を6年半積みました。その後、地元に戻って独立してからは、現在に至るまで器づくりをしています。

木工作品を作ることになったきっかけは何だったのですか?

もともと物づくりに興味があって芸術系の大学に入ったのですが、自分の作りたい物・やりたいことを表現するには何がいいのか、考えていました。その結果、長い間触れていた木に自然と興味が湧いていったというのがきっかけです。

大学卒業後は家具屋で修行されていたとのことですが、なぜ器づくりをされるようになったのですか?

地元で独立するにあたって、いろいろな人との出会いがあり、器づくりの仕事に出会ったからです。

それに、家具の製作から離れたかったというのもあります。6年半の修行で、家具職人としての“クセ”がついていました。自分のやりたいことを表現しようとしたとき、その“クセ”が邪魔するような気がしたのです。

作家として自分なりの表現を求めるなかで、職人っぽさから離れ、“クセ”をリセットしたいと思っていました。

しかしながら、家具制作をやっていたおかげで、実用性が求められる工芸の世界に違和感なく入れたというのはあります。

紀平さんの作品は、機械を使わずにすべて手作業で削り出されていると拝見しました。手彫りにこだわる理由や、手彫りだからこそ表現できると思われることを教えてください。

手に取ったときの感覚を細かく表現できることでしょうか。器は、実際に手で触りながら使うので、細かな触り心地や指先から伝わる感覚の違いが大切です。手作業なら、それをダイレクトに感じながら製作できます。

あと、作品づくりを作業っぽくしたくないというのも、手彫りにこだわる理由です。

性格的に、機械ですぐ仕上がってしまうのが苦手で、じっくり作りたいという思いがあります。手彫りすることで、「一つ一つの木ごとの違いをしっかり出したい」「手に取る方へ丁寧に伝えたい」と考えています。

紀平さんの作品はどれもシンプルでありながら、細部にこだわりの宿った造形が魅力の一つだと感じます。特徴的な造形のアイデアは、どのように生まれてくるのでしょうか?

古い造形物からインスパイアされることが多く、それらを現代版にアップデートするイメージでいます。

また、塗装をせず、あえてエッジをつけることを意識しています。これは、使う人が、器との間に程よい“距離感”を持ってもらいたいという思いからです。

日常で使う器というと、「割れない」「軽い」といった使いやすさを意識した物が中心です。一方で、私の作品は日常的に使ってもらいたいと思いつつ、無塗装やエッジのある造形で、あえて「脆さ」を持たせています。

脆さがある器だからこそ、割れないよう日頃から丁寧に使うし、所作などもきれいになる。こうした丁寧さが、長く使い続けることにつながっていきます。私の作った器を使うことにより、自然とそういう意識が芽生えていってほしいというのが願いです。

それに、色が少しずつ濃くなったり、自分の手になじむように削れていったり…そうした経年変化によって「育てる」ことができるのも、私の器を使ってもらう醍醐味だと思っています。

汚れやすい、欠けやすいというとネガティブに捉えがちですが、長年使っていれば変化するのは当然です。変化することによって、むしろ自分だけの器になっていくのではないでしょうか。

ちなみに、使っていて汚れが気になったときは、どのようにお手入れすればよいのでしょうか?

普通に水洗いをすればOKです。ただ、天然木にとって湿気は大敵なので、洗い終わったらできるだけ早く水分を拭き取って、しっかりと乾燥させてください。食洗機は使わないようにしてください。

ちなみに、木地そのままの器や盆は、使っているとどうしても染みなどの汚れがつくことがあります。時間がたつと、その染みがいい感じになじんでいくので、これも経年変化として愉しんでもらえたらうれしいです。

紀平さんの作品からは、木目の美しさをダイレクトに感じられます。木目を生かすため、作品づくりで意識していることは何かありますか?

木目は特徴のあるものよりも、他に合わせる器や食材などの邪魔をしない、シンプルなものを選ぶようにしています。たまに特徴的な木目を生かすこともありますが、基本はシンプルな木目です。

シンプルな木目を見せることで、肩肘張らず、日常の食卓に取り入れやすい器になると考えています。

作品を作るにあたってのインプットはありますか?

あえて意識していないので難しい質問です…(笑)。

食事や作品鑑賞など、何をしていても思いつくときはあり、何もかもがインプットになっています。あえて言うなら“生活”ということになるでしょうか。

先ほどお話ししたように、古い作品にインスパイアされることは多いですが、いいと思った物は門前払いしません。子どものおもちゃ、市販の容器、自然の風景などジャンルを限定せず、いいと思ったら、まずは受け入れてみるのがスタンスです。

紀平さんが作品を作る上で、一番大事にしていることを教えてください。

使ってもらうのを意識して作ることと、先ほど言った“距離感”を持たせることです。

程よい“距離感”のある作品に仕上げて、大事にしてもらいながら、いっぱい使ってもらう。例えば、手洗いした後に乾拭きするといった、ちょっとした手間で育ててもらう。
器を育てながら、経年変化を楽しんでもらう。

このように、自然と丁寧に使いたくなるような“距離感”のある作品づくりを大切にしています。

最後に、紀平さんが今後挑戦してみたいことはありますか?

かつては「自分の作った器を使ってもらいたい」という思いが強かったのですが、最近は、表現者としての原点に立ち返って、「伝えたい」と思うようになりました。器との“距離感”を通して、物を大切にしながら丁寧に暮らす生き方を伝えていきたい、と。

これは、年を重ねて思ったことです。自分なりのスタイルができてきて、作品づくりに余裕が出てきたからかもしれません。


作品としては、日常的に使える物ではなく、ハレの場にふさわしい「美しい物」も作ってみたいです。

紀平佳丈さんの作品

フードスタイリスト・鈴木愛

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釉薬のブツブツ感と縞模様の
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価格、サイズ感、雰囲気ともに満足しています
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040静7132、春が詰まったようなまろやかな味わいに感動しました。茶葉の緑が鮮やかで目でも楽しみま

040静7132、春が詰まったようなまろやかな味わいに感動しました。茶葉の緑が鮮やかで目でも楽しみました。

色々な種類のお茶が気軽に楽しめます。

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遠藤岳 Cup
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