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佐藤径「枝折」第三話 - TOKYO TEA JOURNAL 巻頭小説

2026年03月23日

by 編集部 煎茶堂東京

TOKYO TEA JORUNALの巻頭小説を飾る、お茶を傍らに、ふと深呼吸をしたくなるような短編の連載、始まりました。
ブックデザイナー・しおりが過ごす、人生の小休止のようなひととき。全六話。

枝折 第三話

「そこ置いちょきなさい」流しの前に立つ母が言った。朝ごはんの皿が、テーブルの端に寄せてある。私は皿を運び、言われた場所にそっと下ろした。
「済んだら、工房んほう手伝ってきて」母は布巾で手を拭きながら言い、私は「うん」と頷き、居間を抜け、通い廊下に出た。工房の引き戸に手をかけると、こもった空気が流れ出た。焼きに向かう器と釉薬の匂いが交じる。壁沿いに積まれた箱の棚から、私は札を抜き取り、薄紙を数枚重ねて腕に抱えた。紙の角が袖口に当たって、そこだけ冷たく感じた。父は窯場に立ち、器の底を指でなぞっている。窓際の机には、絵付けを待つ白もんの器が並び、横には釉薬を溶かした小鉢と、細筆が数本置かれていた。向かいの椅子に腰を掛けた男は、左手で器の底を支え、右手の筆で、口縁をなぞっている。筆先が通った白の表面に、細い輪郭が現れた。
「有村」私は机の角まで歩き、呼び慣れた名を口にした。筆の動きが一瞬止まり、そのまま器の端まで進んだ。有村は白い面から筆を離し、小鉢の縁で筆を扱くと、筆置きに戻した。有村は筆をすすぐための椀を手に取り、椅子を引いて立ち上がった。歩くたび、椀の中の濁った水が左右に揺れた。流し場で水を替える音が、工房を伝う。新しい水を受けた椀の水面だけが、窓からの明るさを拾っていた。有村は椀を持ったまま、通路を横切って机へ戻った。腰を下ろし、筆を取り直す。
 私は机に、抱えてきた札の束を下ろした。片方の手で束の端を押さえ、もう片方の手で一枚ずつ手前に寄せる。束の側面に掌を当てて押し、角の高低をならす。札の重なり具合が、指の腹に並んで伝わった。細い紐を一本取り、札の真ん中にぐるりと回した。強く締めすぎないように力を配りながら、結び目を作る。余った紐をはさみで落とす。刃が木をひとつ叩き、切れた端だけが指先に残った。括り終えた束を一つ持ち上げ、絵付けを待つ器から少し離して置いた。「このくらい、要る?」私は、机の上を束をで軽く叩いて有村に見せた。有村は器の底を握り直し「そいで足りる。足らんごとなったら、またもらう」と応じた。筆が小鉢をかすめるときの小さな触れと、器の表面をなぞるときの軽い擦れが、間をあけて耳に届いた。札の束を並べ直す音と、紐が紙の端を撫でる音が、そのあいだに入り込む。
 私は新しい札の束の下に薄紙を一枚差し込み、箱に当たる面を均した。折り込んだ角どうしがぶつからないように、指先で位置をずらす。薄紙と札の角の向きが揃ったところで、手の力は、行き場を失わずに収まった。有村の肩越しに、筆が器の縁を一周するのが見えた。線は切れずに続き、器の丸みに合わせて曲がる。線の色がうっすら見えた。金に近いその色は、明るさに紛れて境目がはっきりしない。「それ、新しい分の札ね?」有村が、器から目を離さないまま言った。「うん。ここに置いとく」私は括った束を重ね、紐を添えた箱を指先で引き寄せた。箱の横に束を並べる。窯のほうから、棚を動かす低い音が届き、金属が触れる音が、そのあとで土に吸い込まれた。

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いろいろな味をお試しできて、好きな味を見つけられそうです。

いろいろな味をお試しできて、好きな味を見つけられそうです。

さくらの煎茶
明子 長縄
非常に美味しい。ゆったりいただきました。

桜の香をほんのりと感じることができ、春を感じました。

ただしお薦めのレシピ(4g、1分と少し、例の透明急須)で淹れると一煎目から苦くて渋くて桜の香なぞどこへやら、といった感じ。

量を2g弱にしてぬるいお湯で30秒。
これがマイレシピ。
優しい桜煎茶をようやく楽しめました。

4gは多すぎる、これはどのお茶にも感じること。

色々なレシピを紹介していただけると嬉しいですね。

割れない「透明急須」
どこいくのっち
もっと早く購入すれば良かった😢

1年前ぐらいから購入をずっと迷っていましたが、お茶の定期コースをスタートしたので思いきって購入しました。結果、『もっと早く買えば良かった』と後悔してます。

一人分のお茶を美味しくいれるための深さと量が計算されており、本当に毎朝の楽しみが増えました!

季節に合わせて、いつも美味しいお茶が届いるいます。

季節に合わせて、いつも美味しいお茶が届いるいます。

心が浄化美味しさ

お茶とお茶に合う食べ物が書いてあるお洒落な冊子が入ってきました。
お茶はそれぞれ風味豊かで澄んだ味がしました。次回も楽しみです。

TOKYO TEA JOURNAL
どこいくのっち
ワンランク上のお茶生活

知覧茶が好きで、お取り寄せを探しているときにこちらにたどり着きました。色々なお茶を楽しめる定期便で、ワンランク上の休日が始まりました!ガラスの急須もその後すぐに購入して、毎朝ほっこりした朝を迎えています。

推し探し

色んな種類の緑茶を試したい、という気持ちに応えてくれます。産地や品種を様々試すことにより、推しのお茶が見つかります。

楽しく美味しいひととき

色々な煎茶や、珍しいお茶も届けてくださり、楽しく美味しいひとときを作ることができたのはとても良かったです

苦味がとても懐かしく、家で、お茶摘みしていたころや

苦味がとても懐かしく、家で、お茶摘みしていたころや,古いお茶株ならではの味が思い出されて楽しく頂戴しています。

久しぶりに美味しいほうじ茶を飲んだと喜んでもらえました

うちの母親に送ったところ、久しぶりに美味しいほうじ茶を飲んだと喜んでもらいました。もう少し大容量のちょいお安めのラインナップがあれば嬉しいしだいです。

優しく自然な香りで食事にもお菓子にも合う

さくら煎本当に茶美味しかったです!
香りが桜の葉由来だからか優しく自然な香りで食事にもお菓子にも合う万能感ある味でした!
また必ず買います!

竹下努 作陶【縁反縞飯碗】

釉薬のブツブツ感と縞模様の
手触り、初めはビックリでしたが、安定感と反りが手に心地良く大好きになりました。
他の作品も欲しいです。

作山窯 ティーカップ

グリーンのラインと形が気に入って注文しましたが、お茶だけで無く器としても使い勝手が良く気に入っています。

スッキリします

夏の暑さにはもちろん、オールシーズン頂きたい香り&風味。仕事や家事の合間に、気分転換に…スッキリと癒されます。

ちょっと使うのに最高のサイズ

価格、サイズ感、雰囲気ともに満足しています
手仕事を感じられる素敵なお品です

040静7132、春が詰まったようなまろやかな味わいに感動しました。茶葉の緑が鮮やかで目でも楽しみま

040静7132、春が詰まったようなまろやかな味わいに感動しました。茶葉の緑が鮮やかで目でも楽しみました。

色々な種類のお茶が気軽に楽しめます。

毎月3種類の茶葉が届き毎月違う種類なので様々な種類のお茶が楽しめます。どれも美味しいのですがより自分好みの味を見つけることが出来るのが良いなと思います。

茶杓
イノウエ トシコ
抹茶をひと匙

新しい抹茶をひとさじ掬って、お茶碗にポンポン。それがとってもいい感じです。

見た目以上でした。

見た目に惹かれて購入しましたが、いちばん良かったのは口当たり。唇に当てたときの感触がなめらかで、飲みやすいです。お茶が美味しく感じました。

遠藤岳 Cup
匿名
毎日使いたい器

シンプルでモダンな佇まいがとても素敵です。口に当てたときの感触がよく、飲みやすい器だと感じました。お茶以外にもハーブティーを入れると香りが立って、より美味しく感じます。

透明急須が最高の急須だと思っています。茶渋、茶葉の詰まりなど従来の急須にあったストレス要因が、簡単に

透明急須が最高の急須だと思っています。茶渋、茶葉の詰まりなど従来の急須にあったストレス要因が、簡単に落とせたり、詰まること自体がない構造だったり、とにかく素晴らしいです。いままで使っていたものを実家で使うことにしたので、あらたに自宅用に買い足しました。二級品となっていますが、まったく問題ない美品でした。ずっと使い続けたいです、緑茶を飲み続ける限り。

気分が上がる

めちゃくちゃかっこよく、お茶を淹れるたびに気分が上がる。
いい買い物でした。

初めてのお茶体験

初めで本物のお茶を体験できたと感じました。
非常に満足してます。

素晴らしい。

素晴らしい。二級品とは、いえ一級品と、遜色ありません。大変満足しています。ありがとうございました。

ヒラヒラがかわいいお皿!

ヒラヒラしていてかわいいお皿だなーと思い、購入しました。目跡「あり」と「なし」があると商品説明に書かれてあり、どっちが来るだろうー?と楽しみにしていましたが、目跡あり!個人的に目跡が大好きなもので嬉しかったです。そして、このヒラヒラがなんとも美しく、想像以上にかわいかった。お気に入りです。