日々のお手入れも愛おしくなる木工の魅力。南裕基さんの器とカトラリー
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京都府舞鶴市で生まれ、現在は愛知県蒲郡市で作品を作り続けている木工作家の南裕基さん。大学では福祉を学び、児童施設に勤めていたという意外な経歴の持ち主です。
そのときに「子どもに触らせるなら木がいい」と、木材の香りや手触りに着目。次第にものづくりへの関心も高まり、木工作家の道を歩み始めました。
そんな南さんの作品から今回は「輪花茶杯」「茶則」「菓子切」「スプーン」「フォーク」をご紹介します。

海や山がある豊かな環境で育った南さん。現在拠点を構える蒲郡市にも共通するところを感じているのだそう。日々の生活で出合ったもの、たとえば「建築物のラインがかっこいい」と思ったら、それを作品に落とし込んでいるのだそう。
木工作品は使い込むことで味がでる、“育てる”楽しみがあります。南さんの作品は蜜蝋と亜麻仁オイルを配合したもので仕上げられていますが、お手入れは蜜蝋を塗るか、もしくは口に触れても安心なクルミのオイルや亜麻仁オイルでも代用できます。
日々使って育てながら、暮らしに“なじむ”過程を末長くお楽しみください。
まるで花のような「輪花茶杯」

つぼみがほぐれ、咲き始めた花を想起させるような「輪花茶杯」。花びらに見立てたお皿や小鉢はよく見かけますが、茶杯にしてしまうとはユニークです。

真横から見ると、花のシルエットそのものです。1枚ずつ花びらが重なっていますが、もちろん貼り付けたものではなく、一枚の木から削り出した手仕事によるもの。
ほどよい薄さと、手に負担を感じない軽さ、ピタッと指先に吸い付くようなフォルムで使い勝手の良さは抜群。花びらのあいだからスムーズに飲むことができます。

艶やかな黒い漆の奥からは、木目の表情が伺えます。
季節の花を愛でながら、「輪花茶杯」でお茶や日本酒をいただくのも良さそうです。
思わず触れたくなる「茶則」

茶葉の色や形を観察して香りを嗅いだり、茶葉を茶壷に移すときに使われる「茶則」。息づかいを感じる彫り目が美しく、目でも触っても楽しむことができます。
カーブがついているので大きな茶葉でも茶壷へスムーズに移すことができ、底は平らになっているので安定感があります。

今回は2パターンの茶則をご用意しています。水墨画のような模様が入った「黒柿」。これは描いたり染めたりしたものではなく、柿の木に1万年に1本という確率でしか現れない希少なものです。

「黒」はしっとりとした漆の質感が美しく、落ち着いた雰囲気に。経年変化をじっくりお楽しみください。

口当たりがなめらかな「菓子切」

和菓子を切って口に運ぶための道具「菓子切」。南さんが手がけると拭き漆の落ち着いた印象もありつつ、素朴な愛らしさも感じるフォルムに。
人差し指を添えるところが平らになっており、力が入りやすくなっています。こんなに小さな菓子切も、1本ずつ丁寧に彫られており、口当たりもなめらかです。

生菓子はもちろん、生チョコレートやウォッシュチーズのようなやわらかいものを食べるときにもお使いいただけます。
所作が美しく見える「スプーン」と「フォーク」

艶やかな漆の「スプーン」と「フォーク」は存在感を放ちながらも、持ち上げるとふわりと軽いことに驚きます。
横から見ると柄の部分は三角形になっているので、指が添えやすく、自然と所作までキレイに見せてくれます。

フォークの先端はスッと細くなっており、細部まで美しさが宿ります。しっかりしたつくりなので、よほど力を込めなければ欠ける心配はありません。

スプーンは彫り目が細かく、唇への当たりもするんとなめらか。

木のカトラリーは熱を伝えにくいので、口に入れたときに熱かったり、冷たかったりする感覚が苦手な方にもおすすめです。
どちらも約15cmと、ティースプーンやフルーツフォークと同じぐらいのサイズ感。ガラスや陶器など、木工以外の器とも相性がいいので、いつものスタイリングのアクセントになってくれますよ。
南裕基さんの作品
フードスタイリスト・鈴木愛











