雨の日のお茶時間に、心を整える器。森岡希世子「蓋碗」
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出身地である石川県・金沢を拠点に活動されている、陶芸家の森岡希世子(もりおか・きよこ)さん。
普段は九谷焼成形部門の伝統工芸士として工房で作品を制作しながら、神戸芸術工科大学の教授も務めるなど、多方面で活躍されています。
陶芸の道に進むきっかけとなったのは、学生時代に訪れたデンマークへの留学。そこでの体験や感覚が、現在の作陶の原点になっているそうです。
白磁の凛とした佇まいとなめらかな質感が魅力の森岡さんの作品から、今回は「蓋碗」をご紹介します。
はじめてでも使いやすい、磁器の蓋碗

森岡希世子さんが手がける「蓋碗」は、静けさと美しさをたたえた白磁の器。
手に取ると、その薄さに驚かされる一方で、しっかりとした安定感も感じられます。光をやわらかく透かすその姿は、まるで“光の呼吸”をしているよう。

素材は香りや色移りがしにくい磁土製。容量は80mlと小ぶりで、中国茶はもちろん、一煎のお茶を丁寧に淹れるひとときにもぴったりです。
初めて蓋碗を使う方にもおすすめしたい、扱いやすい一品です。
静けさを味わう午後に、そっと湯を注ぐ

しとしとと雨の降る日や、静かな午後のひとときに。気持ちを整えたいときや、自分を取り戻すような時間に、この蓋碗でお茶を淹れてみてください。
お湯を注ぐときの音、蓋を少しずらして香りを逃すその一瞬さえも、丁寧な所作へと変わります。
器がその場の空気や心の状態を映し出すように、語らずともそっと何かを伝えてくれる——そんな感覚に出会える道具です。
暮らしに、美しい余白を

この小さな器に宿っているのは、森岡さんが「寡黙な世界観」と呼ぶ静けさの美学。
目立たず、語らず、ただその場の空気や使い手の心を映すように佇む器は、日々の中にある“生きていることを味わう時間”に、そっと光を添えてくれます。











