【私の茶道具】お茶時間のアートピース - moor PR 代表 羽根郁美
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お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
お茶時間のアートピース - moor PR 代表 羽根郁美

私が主宰する moor gallery は、もともと海外の陶芸作家の日本でのプロモーションからスタートしました。その背景もあって、取り扱う作品の多くが海外の作家によるものです。
そんなアートピースのなかには、「お茶のために作られたわけではないけれど、お茶の時間にすっと馴染むもの」が少なくありません。その発見は、私にとって日々の小さな楽しみでもあります。
たとえば、香港を拠点に作陶する éphēlis(エフェリス) の「Oyster」は、水切れが驚くほど良く、思いがけず茶海として活躍してくれました。

本物の牡蠣を型にしてつくられた「Oyster Cast」は、茶則にぴったり。何より、その佇まいがとても愛らしいのです。こうした使い方は、お客様との会話から教えていただいたことでもあります。
撮影時には、作家であるQueenieが愛飲する烏龍茶を茶葉に選びました。彼女の作品とお茶が一体となるひとときは、まさに “器と時間の共鳴” とでも呼びたくなる体験でした。

2025年5月には、éphēlisと故金あかりさんによるコラボレーション展示を開催しました。多くの方が中国茶器を求めて足を運んでくださり、お茶という文化の奥行きをあらためて感じる機会となりました。
私自身もこの展示以降、故金さんの茶器を日常使いしています。手に取るたび、器の持つ温もりと静かな力強さが伝わってきます。

また最近では、岐阜県多治見市で活動するサードセラミックスのお茶道具に出会いました。デザインに一目惚れし、急須とそれに合うカップをふたつ購入。あまりに美しいフォルムだったので、今はキッチンカウンターに飾って、眺めてはうっとりしています。

サードセラミックスの作家さんは、多治見に移住して活動されているとのこと。私自身、美濃焼で知られる岐阜・美濃地方で生まれ育ったこともあり、焼き物は身近な存在でした。作家さんのアトリエは高校時代の通学路のそばにあり、訪れるたびに懐かしい気持ちになります。若い世代がこの地で新たな作品を生み出してくれていることに、嬉しさと誇らしさを感じます。
さらに、岐阜県八百津町で作陶されている大隅新さんの急須も、愛知県の MATOYA さんの企画展で出会い、迷わず購入しました。

ご自身で築いた穴窯で焼かれたその作品には、どこか原初的な力が宿っているように感じます。今は、故金さんのカップとともに、お茶の時間に寄り添ってくれています。
お茶を淹れる時間は、静かで、でも心が動くひととき。その傍らに、こうした器たちがいてくれることが、何よりの喜びです。器に宿る物語とともに、今日もまた、一杯のお茶をいただきます。
moor PR 代表 / 羽根郁美
| 岐阜県土岐市出身。ファッション、ライフスタイルブランドなどジャンルを問わず日本国内のブランドを海外と繋げる。「moor gallery」として、国内外の作家の陶芸作品も広く紹介。@moor__gallery |











