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作り手のことば「自然界に抱く畏敬の念に、創作の原点がある」陶芸家・タナカシゲオさんインタビュー

2025年08月22日

by 煎茶堂東京編集部

奈良県明日香村にある、築300年近い古民家で暮らしながら制作活動を行う、陶芸家・タナカシゲオさん。丁寧な暮らしの中で生まれる、自然で素朴な作品が多くの人を惹きつけています。

今回、煎茶堂東京でタナカさんの作品をお取り扱いするにあたり、タナカさんのお人柄、作品や陶芸に対する想いなどを伺いました。

タナカさん、今回はよろしくお願いします。まずは、簡単なプロフィールを教えていただけますか。

よろしくお願いします。私は、1963年に京都府で生まれました。もともと骨董が好きで集めていたのですが、そのうちに「自分でも作ってみたい」と思うようになり、独学で陶芸を学び始めました。

2003年に韓国骨董を専門に扱う骨董店「川口美術」で初個展を開催して以降、各地で個展を開いてきました。現在は、奈良県明日香村にある自作の穴窯と倒炎式窯で、制作活動をしています。

独学で陶芸を学ばれたとのことですが、特定の陶芸家の方に師事しないことの良さや、ご自身のオリジナリティについてどのように感じていますか?

独学で本を読んだり、窯屋さんに窯の構造を教えてもらったり、試行錯誤を繰り返しながら制作してきました。たくさんの失敗を経験するなかで、正直「師匠がいたほうがよかった」と思ったことも多々あります。

そういったなかで、好きな李朝や日本の桃山期の焼き物を模したり、自分なりの解釈や自分自身の加えたいものを追加したり、時には引き算したりして制作しているような気がします。特定の方に教わったわけではないので、そのときの解釈や足し算・引き算にオリジナリティがあるのかもしれません。

李朝や桃山などの古い焼き物が好きとのことですが、そうした作品のどのようなところに魅力を感じますか? また、古い作品から得られるアイデアやインスピレーションとはどのようなものかも教えてください。

古い作品には、「巧みに作りたい」という自我や他人からの評価などを気にせず、ただ無心に取り組んだひたむきで純粋な美しさがあるように感じます。私は、その美しさに惹かれます。

数百年という時を経てもなお美を放つ作品に接すると、その作品が作られ、受け継がれてきた壮大な背景に、畏敬の念を感じずにはいられません。そして、作品に対する畏敬の念は、作品を構成する土・植物・水・火など、自然物に対しての畏敬の念にもつながります。

私の創作の原点は、この畏敬の念を抱くところから出発しているように感じています。

タナカさんは、ご自作の穴窯と倒炎式(とうえんしき)窯で作品を制作されているそうですね。それぞれどのような特徴があり、2つの窯をどう使い分けているのか、教えていただけますか?

穴窯は、高火度※で焼き物を焼く窯のうち、最も古い形式の窯です。薪を大量に消費するものの、焚き口が一つなので、窯内部の場所による温度差が著しく、均一に作品を焼くことができません。しかも、焼成には3〜4日もかかります。

時間がかかる上に、仕上がりにも大きなムラがある窯ですが、ときどき驚くほど良い作品が焼けるんです。

一方の倒炎式窯は両側に焚き口があり、両側から入れた火が天井のアーチ部分でぶつかり、下の煙道へ降りていき、最終的に後ろの煙突へ抜けていく仕組みです。全体に火が回りやすいので、穴窯よりも均一に作品が焼けます。

正直、倒炎式窯は焚き方もわからずに自作したものなので、いまだに使いこなせていません。ただ、オランダの伝統作品のような低火度の作品は焼けます。この窯を作り変えるかどうかというのは今後の課題です。

※高火度:1,100℃以上で焼成すること ↔︎ 低火度:800〜900℃で焼成すること

作品を作る工程の中で、好きな工程とその理由を教えてください。

どの工程もそれぞれに面白さがあるので好きです。

ただ、強いて選ぶなら窯焚きが好きです。作品を窯に詰めて夜通し焚くこともありますが、薪をくべて火を身体に浴びていると楽しくて、なぜか疲れを感じません。

タナカさんの作品はどれも素朴で、自然で、良い意味で力が抜けている印象を受けます。そこには、タナカさんご自身のマインドが現れているのではないかと感じるのですが、制作時に意識していることはありますか?

小林秀雄の『美を求める心』※にあるように、作品には、作る人の心や精神状態が現れると思っています。しかし、作る際に自分の意図を入れすぎると、作品の純粋な美が損なわれてしまうとも感じるのです。

だから、制作時にはただただ「まっさらな状態」で作品と向き合うようにしています。あわせて、健康な身体にこそ健やかな精神は宿るので、健康にも気をつけています。

※『美を求める心』:
日本を代表する文芸評論家・小林秀雄が1957年に発表した短編のエッセイ。小中学生に向け、小林の考える「美と接する心構え」が語られる。

器を作る上で、タナカさんが一番大事にしていることは何ですか?

大きな壺であれ、小さな杯であれ、手に取った方が自然界の美やご自身の神性(内面に宿る精神やこころ)を感じ取ってくださるような作品になればいいな、と思って制作しています。

最後に、今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。

自宅に茶室を作って、お茶の時間を楽しみたいです。

タナカシゲオさんの作品

タナカシゲオさん
Instagram:@rikeiyoh_tanaka_shigeo
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040静7132、春が詰まったようなまろやかな味わいに感動しました。茶葉の緑が鮮やかで目でも楽しみました。

色々な種類のお茶が気軽に楽しめます。

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茶杓
イノウエ トシコ
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